福岡市での熱中症発生事例

熱中症は誰でもなる可能性がありますが、特にお子様、高齢者、労働者の発生が多くなっています。このページでは、福岡市で実際に発生した熱中症の事例の中から、

  1. 子どもの事例
  2. 高齢者の事例
  3. 労働者の事例
  4. 運動中に発生した事例

 を挙げています。事例を参考に、熱中症にならないように予防方法と合わせてチェックしてみてください。

 平成30年は、災害級の暑さと言われるくらいの厳しい猛暑でした。梅雨開け後、気温の高い晴天が連日続いた頃から7月にかけて救急搬送者数が急増し、搬送者数は全体で821名となりました。前年より約240名も増加しており、特に、65歳以上の救急搬送者数は、前年の243名から345名と大きく増加しました。熱中症は、自宅で発症する事例が多くなっています。高齢者の方は、体内の水分量が低く、暑さやのどの渇きを感じにくくなるため、熱中症になりやすいことから特に注意が必要です。

予防については「熱中症にならないためには(予防方法)」のページをご覧ください。

子どもの発生事例

事例1: 体調不良のケース

Aちゃんは朝から微熱がありました。

その日、家族と公園で遊んでいるうちに症状が悪化しました。

周囲の大人は子供の様子を十分に観察するようにしましょう。

体調が悪いときには無理をしないようにしましょう。

事例2 : プール遊びに熱中しすぎたケース

B君は水分摂取をほとんどせずに屋外プールで長時間遊び、体調不良と吐き気を感じました。

運動時には特に積極的な水分・塩分を補給しましょう。

適度に休憩をとりましょう。

事例3 : 車内に閉じ込められたケース

Cちゃん(幼児)はお母さんと車で外出していましたが、車の中で寝てしまいました。

途中立ち寄ったスーパーで、お母さんが眠ったCちゃんを車内に残したまま、車のドアを閉めたところカギの閉じ込めに気が付きました。

Cちゃんは車内に閉じ込められ、体調不良を感じました。

屋外にある車の中は、外よりもずっと暑い環境になります。車を離れる際には必ず子どもと一緒に!

お子様の熱中症を防ぐポイント

水分補給をすすめましょう

子どもは夢中になると水分補給が忘れがちになってしまいます。

周囲の大人は子どもの様子に気を付け、状況に応じて水分補給をすすめましょう。

子どもは大人よりも暑い?!

晴れた日は地面に近いほど気温が高くなるため、背の低い子どもは大人よりも暑い環境にいることになります。

子どもの熱中症を防ぐためには、周囲の大人が顔色や発汗の様子を観察し、顔が赤い場合や汗を大量にかいているような場合は、適切に飲水指導や対処をする必要があります。

車内での発生に注意

子どもの事例として、車内での発生が毎年数件起こっています。

炎天下の中駐車している車の中は非常に高温になるため、短時間でも熱中症になる危険性があります。

また、鍵の閉じ込めにより対応が遅れ、重症化した事例も見られます。

車を離れるときは 必ず子どもと一緒に! を心掛けてください。

高齢者の発生事例

事例1 :  体調不良のケース

Dさん(70代女性)は2~3日間体のだるさを感じていました。その日もいつも通り買いものに出かけましたが、帰宅中にめまいとふらつきを発症しました。

外出時に気分が悪くなったときには、クールシェアスポット等を利用しましょう。

体調が悪いときには無理をしないようにしましょう。

事例2 : グランドゴルフ中のケース

Eさん(70代男性)は、炎天下の中グランドゴルフをしており、そのうちめまいと頭痛を感じ、動けなくなりました。

運動時には特に積極的な水分・塩分補給をしましょう。

体調が悪いときには無理をしないようにしましょう。

事例3 : 冷房を控えすぎたケース

Fさん(80代男性)は3日ほど前から食欲がなく、体のだるさを感じていました。その日は室内にいましたが、冷房器具の使用を控えていたところ、症状が悪化し、動けなくなりました。

室内でも熱中症の危険性があります。暑いと感じたら無理をせず、扇風機やクーラーを上手に使用しましょう。

高齢者の熱中症を防ぐポイント

高齢になると暑さやのどの渇きを感じにくくなります。

熱中症になるリスクが高く、重症化しやすい傾向があるので以下の点に注意しましょう。

  1. 日頃から運動をし、暑さに慣れること
  2. のどが渇く前からこまめに水分を補給すること
  3. 室内にいても暑い時には扇風機等を利用すること

また、熱中症になった方の中には数日前から体調不良が続いていた方も多くみられるため、食欲不振が続いている場合などは、無理せず体を休めることも重要です。 

労働者の発生事例

事例1 : 炎天下の作業

Gさん(40代男性)は炎天下の中、トラックから荷物の積み下ろし作業を行っていました。

作業中大量の汗をかいていましたが、水分補給も不十分のまま、作業を継続して行っていたところ、意識が朦朧となりました。

炎天下での作業時には水分・塩分補給をしっかりとりましょう。

少しでも体調不良を感じたら、無理をせずにすぐに涼しいところに避難し、充分な休憩をとりましょう。

事例2 :  蒸し暑い環境下での作業

Hさん(50代男性)は、蒸し暑い状況で、ビルの解体工事作業をしていました。作業中、両脚の筋肉がけいれんし、動けなくなりました。

炎天下での作業時には水分・塩分補給をしっかりしましょう。

少しでも体調不良を感じたら、無理をせずにすぐに涼しいところに避難し、充分な休憩をとりましょう。

労働者の熱中症を防ぐポイント

労働者は一般よりも高温多湿の環境の中、作業(活動)が長時間続きます。

また、個人の体調に合わせて休憩等がとりづらいことから、熱中症になるリスクが高いと言えます。

労働者の熱中症発生を防ぐため、厚生労働省より

「職場における熱中症予防情報」(新しいウインドウで表示)が示されていますので、参考にしてください。 

運動中の発生事例

事例1 : 昼間のランニング

I君(10代男性)は、14時頃運動場でランニングを行い、その後のストレッチ中に頭痛及び脚のしびれを感じ、動けなくなりました。

運動時には特に積極的な水分・塩分補給をしましょう。

運動時の熱中症を防ぐポイント

運動中は体内で熱が産生されます。

風通しの悪い体育館や炎天下の運動場などでは、熱中症になりやすいので注意が必要です。

運動中はこまめに休憩をとり、汗をかいたときには水分とともに塩分も補給することが大切

です。

暑さ指数が「厳重警戒」以上のときは、30分を目途に休憩をとるように心がけましょう。

それほど高くない気温(25~30℃)でも湿度が高い場合に発生しているので、梅雨明け前

から注意が必要です。

学校では、体育の時間や運動部活中の熱中症事例が多く、死亡事例も発生しています。

また、運動部活動以外の部活動や教育課程内での取組においても発生しています。

参考:(独)日本スポーツ振興センター パンフレット「熱中症を予防しよう―知って防ごう熱中症―」(PDF 5.4MB)

 

 

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