熱中症とは何か

このページでは「熱中症」がどうして起こるのか、どんな症状が出るのか、どんなときになりやすいのかを解説しています。

熱中症とは

  • 室温や気温が高い環境で、体温の調節機能が働かなくなって生じる体の不調です。
  • 誰でも熱中症になる可能性があり、全国では死亡事故も発生しています。
  • 予防法を知っていれば熱中症を防ぐことができます。
  • 熱中症になっても適切な応急手当をすることで、症状を軽減することができます。

熱中症発生のメカニズム

ヒトの体温は、暑い夏も寒い冬も35~37℃程度に保たれています。これは、ヒトの体に体温調節機能が備わっているためです。暑い時や運動した時にも、平常時は体温調節機能が働くことで体温を一定に保っています。しかし、異常時(体温調節機能がうまく働かないとき)には、体温を一定に保つことができなくなり、様々な体の不調が現れます。

平常時

暑いときや運動時には体温が上昇します。 体温が上昇すると、汗をかいたり、皮膚に血液を集めることで体の外に熱を逃がします。 この作用により体温が下がり、ヒトの体は適切な温度に保たれます。

メカニズム(平常時)

異常時

暑い時や運動時に体温が上昇すると、汗をかくことで体内の水分・塩分が失われたり、皮膚に血液が集まるため脳への血流が少なくなります。 このような状態に体が適切に対処できないとこむら返りや失神等の症状が現れます。 さらに、高温・高湿度などの環境で体から熱を逃がすことができないと、体温が著しく上昇し、様々な体の不調が生じます。

メカニズム(異常時)

 

熱中症の症状

熱中症の症状は、「具体的な治療の必要性」の観点から、軽症(Ⅰ度)、中等症(Ⅱ度)、重症(Ⅲ度)に分類されます。

 
症状の度合  具体的な治療の必要性 症状 
軽症(Ⅰ度) 現場での応急手当で対応できる

(ただし、症状が回復しない場合は病院へ)

めまい、立ちくらみ、汗がとまらない、こむら返りなど
中等症(Ⅱ度) 病院への搬送を必要とする 頭痛、吐き気、体がだるい(倦怠感)、ぼーっとする(虚脱感)など
重症(Ⅲ度) 入院をして集中治療の必要性がある 呼びかけても返事がおかしい(意識障害)、まっすぐ歩けない(手足の運動障害)、けいれん、体があつい(高体温)など

 

 熱中症になりやすい条件

熱中症のなりやすさは、気温や湿度といった「環境」、高齢者や病気などで脱水状態にあるといった「からだ」、炎天下での長時間労働や激しい運動といった「行動」によるものが考えられます。

ここでは、熱中症になりやすい条件について説明しています。

1.環境

気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、急に暑くなった  など

梅雨明け前後の急に暑くなった日は要注意!!

2.からだ

体調不良、高齢者・乳幼児、暑さに慣れていない、下痢などによる脱水状態、糖尿病などの持病、肥満  など

寝不足の時や食欲不振が続いているときは無理をしない!

3.行動

激しい運動、長時間の屋外作業、水分補給しにくい状況  など

近くに冷たい飲み物を準備する他、適切な休憩頻度を予め設定し涼しい休憩場所で体を休めよう!

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