暑さ指数(WBGT)と行動の指針
このページでは、「暑さ指数」についての解説と、「暑さ指数」に応じた熱中症予防のための行動指針を掲載しています。
熱中症予防にぜひご活用ください。
暑さ指数・・・熱中症のなりやすさの指標
暑さ指数(WBGT:Wet-bulb Globe Temperature(湿球黒球温度))とは、1957年にYaglouとMinard(アメリカ)により提唱され、高温環境の指標として労働や運動時の熱中症の予防措置に用いられています。
暑さ指数は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標であり、人体の熱収支に与える影響の大きい ①気温、②湿度、③輻射熱 の3つの要素を組み合わせたものです。
乾球温度、湿球温度及び黒球温度により以下の式で算出され、単位は「℃」となりますが、気温とは異なります。
暑さ指数は、気温だけの指標よりも、より熱中症のなりやすさを示している指標と言えます。
暑さ指数の算出式
湿球温度
湿らせたガーゼで温度計感部を包んだ温度計で測定した温度です。ガーゼから水分が蒸発する際、周辺から熱が奪われるため、湿球温度が示す温度は通常の温度(乾球温度)よりも低くなります。また、水分は周辺の湿度が高いと蒸発しにくく、逆に周辺の湿度が低いとよく蒸発するため、湿球温度は周辺の湿度の影響を受けることになります。湿度が低いほど、通常の温度(乾球温度)との差は大きくなります。
乾球温度
通常の温度計で測定した温度で、いわゆる「気温」と同じものです。
黒球温度
黒色に塗装された薄い銅板の球(中は空洞、直径約15cm)の中心に温度計を入れて観測します。黒球の表面はほとんど反射しない塗料が塗られており、黒球温度は周辺からの輻射熱(太陽からの放射熱や暖められた地面からの放射熱等)の影響を受けています。
行動の指針・・・暑さ指数の活用
日本生気象学会及び日本体育協会より暑さ指数に応じた日常生活、運動時における熱中症予防のための指針が示されています。熱中症予防にぜひご活用ください。
暑さ指数が28以上の場合、すべての生活活動で熱中症がおこる危険性があります。また、31以上では、運動は原則中止との指針が示されています。暑さ指数が25から28であっても、熱中症には警戒する必要がありますので、運動や作業の際は十分な休息を取り入れましょう。
暑さ指数 (WBGT) |
注意すべき生活活動の目安※1 | 日常生活における注意事項※1 | 熱中症予防のための運動指針※2 |
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31以上 | すべての生活活動でおこる危険性 | 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 | 運動は原則中止 特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合は中止すべき。 |
28~31 | 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 | 厳重警戒 激しい運動や持久走は避ける。積極的に休息をとり、水分塩分補給。体力のない者、暑さになれていない者は運動中止。 |
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25~28 | 中等度以上の生活活動でおこる危険性 | 運動や激しい作業をする際は定期的に十分に休息を取り入れる。 | 警戒 積極的に休息をとり、水分塩分補給。激しい運動では、30分おきくらいに休息。 |
21~25 | 強い生活活動でおこる危険性 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 | 注意 死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意。運動の合間に水分塩分補給。 |
※1:日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」(2013年)より
※2:日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」(2013年)より
暑さ指数に関する注意点
暑さ指数は、気温が同じでも、測定場所周辺の環境(建物の密集具合や地面の状態、風通し、高さなど)により値が異なる場合があります。
また暑さ指数が低い場合でも、周囲の環境 、当日の体調、活動の内容などにより、熱中症による事故が起こる場合もありますので、気象庁による気温の予報等も参考にするとともに、ご自分の体調などにも十分に注意してください。
本ホームページで提供している暑さ指数について
本ホームページで提供している暑さ指数情報は、環境省より提供されたもので、地点:福岡(福岡)の値です。
暑さ指数の計算には福岡管区気象台(福岡市中央区大濠一丁目2-36)で測定された気温等の観測値が用いられています。
※ 予測値、実測値の算出方法については、「環境省熱中症予防情報サイト」(新しいウインドウで表示)をご覧ください。
全国の暑さ指数予測は、「環境省熱中症予防情報サイト」(新しいウインドウで表示)よりご覧いただけます。